2019年9月7日に、東京支部主催の樹木医研修に参加しました。

剪定枝を土壌改良材に活用するには、という内容でした。

木質チップは細かく厚く(10~30cmくらい)敷けば、土の乾燥を抑えられますし、しっかり厚く敷けば雑草対策にもなります。またクッション性もあるので、転んでも安全です。アメリカではほとんどの公園で、当たり前のように細かくした木質チップを敷き詰めているそうです。(ちなみに木質チップは天然木なので、敷いてから3~4年以降はゆっくり分解されていきますので、定期的に足す必要はあります)

しかし・・・

剪定枝をゴミとせず活用するのは理想的ですし、人工的な栄養を与えるよりも植物にも環境にも良いですが、課題はあります。

枝そのものをすぐに土壌改良材にするのは分解に時間がかかるため難しく、まずは木質チップにまで粉砕しなければいけません。この部分はやはり変えられようもなく、工程を省くこともできないので、

「粉砕機が身近にあるか。もしくは枝を長期間置いておけるスペースがあるか」という条件が壁になります。

草や、コンポストで堆肥にできる生ごみなどと違い、樹木は堅いため微生物たちによる分解に時間がかかります。

自然環境ではゆうに30mくらいの高さにまで成長できる樹木です。それだけの体を支える構造を細かくするのは、大変ですね。また、コニファーやマツのような針葉樹と、ケヤキやサクラのような広葉樹とでは、針葉樹の方が分解に時間がかかります。

 

以上、課題の列挙になってしまいましたが、

剪定にしろ伐採にしろ、「ゴミ」として燃やすのでなく「土の栄養に」「資源」としてどんどん活用したいですね。

 

樹木医・中村