先日、神奈川県樹木医会で、今年度初の研修会が行われました。

今回はせっかくの時期なので、歩いて樹木を観察し、樹木医同士で意見を出し合ったり、治療方法を議論したり、情報を提供し合ったり、というものでした。

私はもっぱら、教えていただき、勉強することに専念していましたが。

 

【コースはこちらです↓】

相鉄線瀬谷駅ー鎌倉古道ハイキングコースー海軍道路ー相鉄線瀬谷駅

3時間半(約2万歩)

●神奈川県名木100選樹木の観察(日枝神社のケヤキ)枝のところどころに付いているぼんぼりのようなものは、ヤドリギという寄生植物です。

 

●横浜市名木100選樹木の観察(カヤ、ケヤキ、タラヨウ、イチョウ)

写真はカヤです↓

●海軍道路沿い桜並木の樹勢観察および切株断面の腐朽菌観察

 

●瀬谷区の屋敷林の歴史的景観の観察

●巨木に対する歴史的価値と、周辺住民の住環境との両立の難しさの確認

 

●強剪定や災害など外環境的要因と、腐朽菌など内部侵食などの要因とが樹木に与える影響の確認

などなど

勉強する立場としては、非常にありがたい研修会でした。

大きな樹木は見ごたえがあり、美しさ、力強さ、樹木の柔軟さ、たくましさを感じます。ウロや枝葉の茂みにはリスや小鳥がひそんでいました。

しかし、それだけ立派な樹木であれば、枝の長さも相当なもの。また、落葉樹であれば落ち葉の量も多いでしょう。

枝のせいで起きる日照不足被害や、落ち葉掃除の手間、台風などの際は落枝も気になるでしょう。

地球環境のみならず、人の生活にとっても、緑が多いことは素晴らしいことです。しかし恩恵だけを享受することはできない。樹木や植物、生き物たちと「どのように・どの程度を境界線として共生共存するか」は、私たちの永遠の課題であるなぁと思いました。

 

樹木医・中村